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東光寺 薬師如来坐像

ページID:0001012 更新日:2022年12月22日更新 印刷ページ表示

画像:東光寺 薬師如来坐像本像は東光寺の本尊で、檜材の寄木造、漆箔、彫眼の像である。地方では珍しく像高が142.5センチと大きな坐像で、堂々とし、保存も良好である。

左手は膝の上に掌(たなごころ)を上向きにして薬壺を持ち、右手は肘を曲げて、前に出し施無畏印(せむいいん)を結び、左足を上にして結跏趺坐(けっかふざ)する。大衣(だいえ)を偏祖右肩(へんたんうけん)に着け、全身は漆の上に金箔を施し、頭部に小粒の螺髪(らほつ)を刻み出す。ふっくらとした顔の造形や流麗な衣の線などは優雅さにあふれ、定朝様式を表した平安時代後期の都ぶりの作風を示している。

脇侍は不動明王と毘沙門天である、このように不動・毘沙門を脇侍として配するのは天台宗の特徴であり、島内の他寺でも見られ、本島における天台宗の影響がうかがえ興味深い。

台座は香川県下では類例の少ない魚鱗葺(ぎょりんぶき)の七重蓮華座(れんげざ)で、制作は像本体とほぼ同じ年代と考えられている。昭和60年(1985)に東光寺境内に設置された収蔵庫に、脇侍とともに安置されている。

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