薬師如来坐像(尻浜)

本尊の薬師如来坐像は、平安時代の作。客仏の弥勒仏坐像は、もと惣持寺の本尊で鎌倉時代のものである。いづれも等身大の仏像で、県指定文化財であるが、破損が甚だしかったので、昭和60年に京都美術院で修理した。
長命寺が無住のため現在尻浜収蔵庫に安置されている。

木造弥勒仏坐像

画像:木造弥勒仏坐像高さ85cm、檜材、寄木造の漆箔坐像で、もとは尻浜の惣持寺の本尊仏であったが、同寺が廃寺になったのに伴い、長命寺の所蔵となった。平成4年、惣持寺跡に建立した収蔵庫に、長命寺の本尊木造薬師如来坐像とともに安置されている。頭髪はまばら彫りで中央にまとめ、肉髻は2本のひもで結んだ珍しい形をしている。
彫眼で面相はふくよかで、穏やかな中にも気高さと厳しさをたたえている。
衲衣は偏袒右肩で、右手はひじを曲げ、掌を前に向け5指を伸ばした施無畏印を結び、左手は掌を左ひざの上に指を伸ばして下向けにした降魔印(触地印ともいう)をなしている。坐法は右足を上、左足を下にした吉祥坐の結跏趺坐である。
墨書銘によると、この像は鎌倉初期の建久7年(1196)の作で、その後修理した事実が記されているが、年代が読み取れない。漆の剥落等の破損が激しく、昭和60年8月に修復された。

木造薬師如来坐像

画像:木造薬師如来坐像長命寺の本尊仏で、檜材の寄木造、彫眼、高さ85.0cm、藤原時代末期の作である。
頭部肉髻は比較的大きく、鬢の張りは少ない。小粒の螺髪を彫り出し、やや面長で伏目になっている。衲衣は偏袒右肩で、左手はひざの上で薬壺を持ち、右手はひじを曲げて前に出し、掌を前向きにして施無畏の印を結んでいる。足は右足を下、左足を上にして降魔坐に結跏趺坐している。
内刳りにしている材は厚手で、作風全体に海の男の気質がそのまま投影されたような荒々しさが感じられ、当時の地方作の代表的なものとされている。
顔やひざの部分に破損が見られたが、昭和60年8月に修理が完了し、姿は見違えるようになっている。現在は惣持寺跡に建立した収蔵庫に、木造弥勒仏坐像とともに安置されている。


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