本文
石垣(見所紹介)
石垣の名城として知られる丸亀城
丸亀城は「石垣の名城」と言われる程、石垣が有名です。江戸時代初期の城郭石垣を築く技術が最高水準に達したときに作られたもので、優れた技術で積まれた石垣を見ることができます。特に丸亀城の主要な石垣は、高く美しい曲線が特長です。石垣に垣間見る当時の技術、職人の思い、その時代の人々に想いを馳せながら、石垣をめぐってみてはいかがでしょうか。
※番号をクリックするとそれぞれの項目にジャンプします。
【1】切り込みハギ
切り込みハギは、石垣の構築技術の一つです。石を削り精加工した石を用います。石の合わせ口を精巧に隙間なく積んでいます。整層積みしたものや乱積みとなるものもあります。
丸亀城では大手枡形や南山中の栃ノ木御門跡の櫓台石垣に見られます。
【2】鏡石(かがみいし)
大手枡形は城の正面玄関であり、鏡石と呼ばれる2mを超える大きな石が用いられています。鏡石は大手枡形などの城の重要な箇所に魅せる石垣として用いられました。
【3】野面積み(のづらづみ)
南東山麓には野面積みという技法で積まれた石垣があります。
野面積みは、自然石を組み合わせて積んだ石垣です。大きさや形の違う石を用いるので乱れた積み方になり、乱積みと言われます。
このように丸亀城では様々な種類の石垣を見ることもできます。
【4】打ち込みハギ
丸亀城の主な石垣はこの積み方です。打ち込みハギは、割って加工された石を用いて積み上げた石垣です。写真のように各段が一列に配列されている(横目地が通る)積み方であり、整層積みや布積みと言い、横目地を一部で乱した積み方を布積み崩しと言います。
【5】高石垣と算木積み(たかいしがきとさんぎづみ)
丸亀城三の丸は高石垣で築かれています。特に北側の瀬戸内海側の石垣は高さ20m以上の高石垣となっています。この石垣の隅角部(出隅)の石垣は算木積みと呼ばれる積み方です。角石は長方体の石を用い、長い面を大面、短い面を小面といい、大面と小面を交互に組み合わせ小面の角石の横には角脇石を配することで、より強固な積み方となり、美しい勾配の高石垣を築くことができるようになりました。
【6】美しく丁寧に積まれた石垣
現在の搦め手にあたる栃の木御門周辺の石垣は旧大手筋の石垣であり、丸亀城のなかで最も美しく丁寧に積まれた石垣です。
特に三の丸の石垣は、間詰め石を隙間なく詰めているので見た目もたいへん美しい石垣となっています。丸亀城の石垣のなかでも是非見ていただきたい石垣です。
【7】石垣の拡張
二の丸南側には本来隅角部であった石垣を拡張している箇所があります。石垣をよく見ると算木積みされていた部分がわかります。算木積みの大面の先端部を割って、その間に石を詰め、拡張箇所をわかりにくくして継ぎ足しています。ぜひ探してみてください。
【8】本丸西石垣のハバキ石垣
ハバキ石垣はサヤ石垣とも呼ばれます。石垣が膨らんだ箇所を崩れないように外側から押さえて保護する役割があります。
このハバキ石垣は山崎氏時代に築かれたことが分かっています。上に建物が建っていることから石垣の解体修理をせず、ハバキ石垣を築き石垣を保護したのでしょう。
【9】火災の跡
二重櫓の三の丸戌亥櫓は、明治2年の藩邸(旧京極家御殿)の火災のときに焼失しました。花崗岩は火を被ると赤くなり、脆くなります。よく見るとこの石垣も赤くなっており、脆くなっています。御殿からの出火は、この戌亥櫓も類焼するほどの大きなものであったと言われています。
【10】水路と排水口
丸亀城の石垣には雨水排水口があります。本丸の東側に1箇所、二の丸大手外枡形に1箇所、三の丸は東側、北側、西側に各1か所ずつ計3箇所、帯曲輪に1箇所、濠端北側に6箇所、あやめ池に1か所の計13箇所にあります。排水口は2タイプあり、花崗岩を用いたものと凝灰岩を用いたものがあります。写真は三の丸東側にある排水口です。