本文
極楽寺梵鐘【ごくらくじぼんしょう】
極楽寺梵鐘は総高112センチ、口径64センチであり、1677年(延宝5)に牛島の大船持ちであった長喜屋宗心の寄進によるものである。神光寺梵鐘と同じで大阪・堺で鋳造され、銘文も浄厳(じょうごん)和尚よるものである。縦帯(じゅうたい)の撞座(つきざ)の上に蓮華座をつくり、種字(しゅじ)を陽鋳(ようちゅう)する特徴も一致している。また、この鐘のもう一つの特徴は銘文の上に十二支が漢字で陽鋳されていることである。
銘文などから江戸時代の梵鐘であることが明らかなものは市内ではこの極楽寺の梵鐘と、神光寺(広島)梵鐘、本島町正覚院(しょうがくいん)の梵鐘を含む3例しかなく、これらは特徴や制作時期など多くの共通点がある。塩飽諸島の文化の繁栄と浄厳和尚という江戸初期の高僧の足跡を物語る貴重な歴史的資料であり、市文化財に指定(平成16年9月24日付)された。
この極楽寺梵鐘は、別名「無限の鐘」とも呼ばれている。